ヴィパッサナー瞑想10日間、体験記の続きです。
(10日間コースを終えて一ヶ月近く経ったのにまだ更新が続いていますが、これはコースが終わって帰宅後すぐにまとめたメモのおかげ。メモに甘えてのんびり更新😅)
瞑想中の違和感と向き合って何を得るのか
後半の6日間を振り返る前に、ヴィパッサナー瞑想で何を得ようとしているのか?をざっくりとまとめてみます。
「ヴィパッサナー」とは「物事をありのままにみる」という意味。
“Seeing the things as they really are”
私たちは物事に反応して、怒り、不安、嫉妬、嫌悪感などのネガティブな感情(心の汚れ)を自分で作り出してしまい、それが苦しみにつながってしまう。
反応をしない練習をすることで、ネガティブな思考や感情も消えて自分の心に安らぎと調和がもたらすようにする。
繰り返し練習することで、やがて周囲にも安らぎと調和をもたらす。
瞑想中に起こる体の痛みや感覚(不快に感じるものも、そうでないものも)に反応せず、客観的に受け止める練習をして、心の汚れを取り除いていく(反応するから、余計なネガティブな感情が生まれて痛みや不快感が増していく)。
詳しい説明は日本ヴィパッサナー協会のウェブサイトへ…
6日目 / 一番しんどかった
コースの半分が過ぎて、長い時間の瞑想に慣れて、楽になってきました!
…なんていうことはもちろんなく、毎回の瞑想で心と体に起こる、毎回違う違和感や不快感となんとか付き合っていく作業の繰り返しです。
涼しい早朝には感じなかったのですが、朝食後の瞑想時間からヴィパッサナー瞑想を始めると、スイッチを入れたように体中が熱くなるようになりました。 外の気温はそんなに暑いわけでもなく、ホールの中も窓が開いているのでほどよい室温。それなのにとにかく暑い(熱い!)。
基本的に寒がり体質なので、これまでは、半袖の上からストールを羽織ったり、 腰の周りにブランケットを巻いて肌寒く感じないようにしていました。でも、それが暑くて邪魔で取ってしまうほど。 長袖を着てその上にストールを羽織っている人もいたのですが、それを見るだけでさらに体温が上がりそうでした。
周りには長袖を着ている人もいる中で「暑くてやっていられない」と思えるのは、私としては結構な異常事態です。このまま続けたら気分が悪くなりそうだったので、すぐにアナパナ瞑想に戻りました。そうすると体中の熱がすーっとひいていく。不思議。ナニコレ。
しばらくしたら何ともなくなるかなーと深く気にしないようにしたけれど、ヴィパッサナー瞑想をするとまたスイッチが入って体が熱くなる。しんどくなって小さくパニック。この繰り返しがしんどくて、アナパナ瞑想に戻ることを逃げ道としていました。なかなかヴィパッサナー瞑想の練習が進みません。これでいいのか。
ふたつ目の壁?!
夕方のティータイム。 いつもいる人が席にいない。あれっ?ん…?
休憩を終えて瞑想ホールに行くと 一番後ろの列の座布団やクッションの数席分がごっそりと片付けられて、空席になっていました。
またも脱落者。
この日は多分3人ぐらい?そのうちの一人は、喋ったことはもちろんないけれど、行動にちょっとクセがあって印象に残る人だったので、「あの彼女が?」と驚きが二割増し。
さらに驚いたのは、その後の講和で「皆さん6日目のハードルをよく乗り越えました。2日目と6日目は、心が弱い人には乗り越えるのが難しく、逃げ出したくなる日です」という話があったこと。まず初日が大変で、5日目にもう一度大きな壁がくる。もうこれは10日間コースで全世界共通?の決まったパターンなのでしょうか(この講話を聞いてみたい方はYouTubeにどうぞ!)。
せっかくここまで来て、あと4日で終わるのにもったいない…と私が思っても仕方ないけれど、思ってしまうのです。2日目に出た脱落者の時よりも、心がザワザワしました。
瞑想で体が熱くなるという、今まで体験したことのない出来事に内心オロオロする自分と、半分を超えたところで脱落する人たち。毎日色々ありますね。
7日目・8日目 / 試され続ける
毎日終わる日までのカウントダウンをしていましたが、ここまでくるとだいぶ気が楽になってきました。持ってきた服を眺めては「このTシャツを着るのもあと一回…」と数えてワクワクしたりとか(笑)
初日から振り返ると、心身ともにスッキリとしている日と、だるくて精神的にも疲れている日が交互にやってきています。何をきっかけに心身の状態が変わるのか、その理由はわかりません。理由を探ろうとも思いません。追及してもどうせわからないし、仮にわかったとしても、その状況と今はもう違う。今体調がスッキリしていても、数時間後には変わるかもしれない。本当に、今起こっていることを、客観的に受け止めるしかないのです。
ヴィパッサナー瞑想を始めると体が熱くなるのは相変わらずで、熱を避けるためにアナパナ瞑想をしている時間の方が長かったかもしれません。これで良いのか、アシスタントティーチャーに聞いてみようかと思ったのですが「その熱さはいずれ消えるものだから」しか答えはないような気がしたので、質問はしませんでした。
そして、左の肩甲骨下の違和感も2日目から変わらず続いています(瞑想をしていない時は何ともない)。本当に邪魔な違和感。瞑想中に体を動かずにじっとしていても、心の中ではこの違和感に悶々としたり、この違和感はずっと続くものではないと冷静になろうとしたり。
肩甲骨周辺の違和感と、ヴィパッサナー瞑想を始めるとたんに体に感じる熱。与えられた課題なのでしょうか…
全ては自分次第
この頃になると、朝の4時半からの瞑想に時間通りに参加する人がぐっと減ります。3分の1もいなかったかも。 4時半を過ぎてからホールにやってくる人たち、しばらくたってから来る人たちなどさまざま(扉を開ける音、ホール内を歩く音で気がつきます)。終わって目を開けると半数以上が揃っているような感じでした。
この時間の瞑想はホールでするか、部屋でするかは個人の選択ですが、部屋で瞑想をするのは難しい…というより不可能に近いと思います。というのも、ベッドの上で座るのは体が安定しない。ホールではほとんどの人がクッションを複数とか、背もたれを使ったりなどのセッティングをしていますが、瞑想ホールのクッション類を部屋に持ち込むことはできないので、自分の部屋で快適に座るセッティングはできない。そんな環境で瞑想できるのかは疑問です。→これがこちらのブログの最後に書いたことです。
このコースは自主性が試される機会で、部屋で瞑想をせず寝ていたとしても何か言われることはなく、逆にずっとホールで瞑想していたからといって褒められるわけでもなく。自分の行動に対する評価は一切つきません。
私が思ったのは、10日間瞑想するしかしないとわかった上で、10日間のすべての予定を白紙にして、自分で参加すると決めたのだから、サボってしまったら意味がない、やらなきゃ嘘でしょ(これが自分の意思ではなく、誰かに言われて参加したのなら、全力を尽くしてサボる方法を探します!!)。私って意外と根性あるんだなと思いました😝
それでも少し早めに瞑想を切り上げてホールを出てしまうことがあったし、暑くなり過ぎてで体がしんどいからと、1時間の瞑想時間を部屋で休んで過ごしたこともありましたが、できるだけスケジュール通りに瞑想をするようにしました。
早めに切り上げてホールを出た時、敷地内を散歩している人、芝生に座ってぼんやり空を眺めている人、シャワーを浴びている人を見かけました。こんなことを言って良いのかわかりませんが、ヴィパッサナー瞑想の10日間コースに参加したと言っている人のうち、1日10時間近く、きっちり瞑想をしていた人はどれぐらいなのでしょう…
誰のためでもなく、ただ自分のためにする。
どうしたいかは自分次第。
自分に正直に向き合う。
他の人がどうしていようが関係ない。
そんな感じです。
この夜の講話でゴエンカ氏が「しっかりと瞑想を練習するのはあと2日」と言っていました。 あと3日あるのに、10日目は違うの?一体何をするの?2日頑張ればあとは楽になるの?と心がソワソワ。
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